2014年3月2日日曜日

読書記2:『夜と霧』V.E.フランクル

 
『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』
著:V.E.フランクル 訳:霜山徳爾
1956年みすず書房刊



いわずと知れた、アウシュヴィッツを生き延びたユダヤ人精神科医の体験記。
いずれ読みたい、読まなければと思っていながらやっと手にした。

ほんとうは思うところを現在の社会問題にあてはめ、危険だうんぬんの長い文章を書きたかったけど、挫折してしまった。
歯痒い。

ただ思うのは、こんないかれた組織に無理矢理連行されなくて済む世の中になってよかったなってこと。

実際ブラック企業に入ってしまうなどして地獄を味わう事もあるだろうけど(企業内のあれこれに屈して”カポー”のようになる従業員もいたりするでしょう)、
ぼくたちは逃げることができる。
だけど逃げた先が、安全で安心できるように、社会保障をしっかりして、思いやりをもって、 つまりはみんなで人倫を忘れずに生活していくことが、この悲劇を過去のものにし続けてくれるだろう。
そうした精神は、3年前の東日本大震災で、思い出し育てていくべきと確認したはずだったと思う。

ぼくたちの暮しが、しっかりまともに生きていても、たまにいいかげんになるひとにも、多様な状況での人生を守っていけますように。