2014年5月14日水曜日

5/11小樽・塩谷丸山に登山

以前、秋に職場の先輩と行った塩谷丸山。今回はソロでハイキングしてきました。
野鳥を観るなりするようになってから、楽しめるものが増えたので、行く前からわくわく。
そして写真もしっかり撮れたらなーと準備してきました。
山の写真は、アンセル・アダムスのヨセミテ公園を思い出すな。人の眼の限界を超えたカリカリっぷりで撮影したい、線の強い被写体。

(塩谷丸山:標高629m。今回JR塩谷駅から歩いて向かいましたが、駐車場も結構余裕ある感じ。 [ヤマレコの塩谷丸山ページ]
メジロせんせいにお出迎え頂きました。
近所で観れなかったので嬉しい。
のぼります。しばらく森のなか。
秋に来たときは問題なく登れていたのに、今回このゾーンで結構疲れてしまった。
まず、一番傾斜のきついところであるっていうのもそうなんだけど、
高い気温で飲み水の減りが早いことに不安を覚え、急ぎ足気味になってペースが乱れバテたっぽい。
準備不足だったな。
そんな森を抜ける。しばらく笹薮にかこまれた道を歩き、後ろを振り返る。
エゾヤマザクラが凛と立っている向こう側には、海だー。
中腹の開けた箇所でひと休み。
山にはよく電波の基地局的なものがあるようで。
ここまではかなり傾斜が急な道を登って、日差しの強さもあり、ドリンク一本目が空に。二本持って来て助かった・・・。
視界の開けたきもちよい道がつづく。
うぐいすの声があちらこちらから聴こえてくるのだけど、姿見えず。笹やぶのなかにおびただしい程の気配を感じながら、歩くあるく。
まだ雪の残る斜面。足を取られながらゆく。
この雪がちょうど溶け出していてぐずぐずしゃりしゃりとする。なんどかコケる。雪解け水が土を濡らし、これまでのぬかるみ道の原因を知る。
あとひといき、というところは岩場。
頂上!
見晴らし、200度くらいぐるっと、超良好。すがすがしい気分。
ただ、綺麗に遠景を伝えられる写真は撮れなかったかな。撮影に良い場所にずっといるグループもがいたというのもあったけれども、楽しい雰囲気を分けてもらう方が大事。
趣味なりの楽しみ方をしよう。
頂上からすこし下った岩場から、海側を見渡す。
しばしたたずんだら帰ります。
前回は遠藤山のあたりまでそのまま縦走しましたが、気温と水分が心配だったので引き返すことにしました。
雪解け水の流れる登山道。
森林ゾーンでもっといろいろ撮影できたら、もっと良い記録ができたと反省。しかし上りの時は正直余裕がなかった。
ワラビ(左)コゴミ(右)と山菜もあり。
センダイムシクイ?
なぜ登る前に撮影しなかったのか。
入山届けはしっかり記入しました。行き帰りで2時間半程度かかったという記録にも。
カワラヒワ。
他にも、つねに鳥の声が聴こえてきて、居るだけで気持ち安らぐ空間だった、春の丸山でした。
終わり。楽しかったす。
しばらく北から離れる事を惜しみながら、良い季節の空気を思い出に持ち帰りました。
これからも、不可能な状況にならないかぎり、各地の自然に触れる登山をずっと楽しんでいけるといいな。
おまけ:乗車率200%くらいのワンマン電車に乗って帰りました。
二時間に一本の電車、週末、倶知安方面からって混むんですね。

2014年5月3日土曜日

読書記3:『カラスの教科書』松原始

 
『カラスの教科書』
著:松原始
2012年雷鳥社刊


野鳥観察を始めて、いわゆる愛らしい鳥以外にも色んな鳥を面白がることができるようになりたいなーと思い
色々借りたなかの一冊。
おかげで川でエモノを狙うハシボソガラスなんかを見つける事も。
ずっと以前に新聞書評で見かけて以来、何かの折に目にしていたのだけど、評判以上に面白かった。

タイトル通り、カラスの種類、生態を知り、これからどのように付き合っていくか想像を広げられる「教科書」。
かわいい「カラスくん」たちのイラストと一緒に楽しくお勉強できます。


本文中では特に食事(スカベンジャー=死肉処理者であることが生息環境に影響している)の面が印象づけられる。
そりゃあ人間もメシが喰えるところでなければ住まない。市街地に住むのは当たり前だよなあ。
そのせいで、カラスが「人間の縄張りで生きていること自体」で人間が迷惑をするという見方では、
お互い穏健に暮らすことは難しい。
衛生・景観などの「被害」にどうアプローチしていくか、再考する時期に来ていると言えそうだ。


この本を研究本と分つ大きな魅力はユーモラスな筆致。
著者がカラスを調査する姿がなにかギャグ漫画に出て来そうな感じ。
著者がつぶさに行動をみつめることでわかるカラスの「賢さ」やちょっとおまぬけな行動、
それを熱心に見つけ出す研究者の愛ある姿になにかほっとさせられる。
後半部の「カラスのQ&A」のゆるさににやにや。


カラスの行動目的は昔から何も変わらない。
しかし、今や地球の生息環境形成を主導する人間たちが、変わってきていることを確かめる。
おそらく最終的には現在の生物多様性保全という目標に繋がる、企画制作に成功したこの本を読める事に、
とても嬉しい思いが沸き上がった。